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医療法人社団恵仁会 府中恵仁会病院 ハートセンター
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心臓血管病を知ろう
心臓血管病とは?

心臓は、筋肉で形成され、規則正しく、動脈へ血液を送り出しています。
この動脈血は、末梢組織から、静脈血となって、心臓にもどってきます。
1分間に体の全血液(約4~5リットル)が、一回転します。これを「心拍出量」と言います。

心臓血管病は、この様な正常の血液循環を障害し、各臓器(脳、筋肉を含む内臓)の血流障害を
もたらします。

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心臓血管病を知ろう
虚血性心疾患

心臓血管系の4大危険因子は①喫煙、②高血圧、③脂質異常症、④糖尿病です。
これらの危険因子が増えれば増えるほど心血管系の動脈硬化が進行し、心臓肥大・拡大もしくは
血管の狭窄・閉塞がおこります。

心筋を栄養する「冠動脈」の動脈硬化がおこると、狭心症・心筋梗塞に代表される虚血性心疾患が
発症します。虚血性心疾患が原因で、我が国では、15から20分に1人、「心臓突然死」で亡くなられる
方がおられることを考えると、その予防が重要であることを認識できます。

また、日本人を含む黄色人種に多いのですが、動脈硬化による冠動脈の器質的狭窄が無くても、
冠動脈が痙攣し血流障害を起こす「冠攣縮性狭心症」も重要です。
安静時に起こることが多く、やはり、心筋梗塞や突然死の原因にもなります。

心不全

心不全は、心拍出量が低下したため、血液循環が不良となり、体液の貯留(うっ血も)もおこります。
高血圧が心不全の原因として最も多いのですが、心筋症、弁膜症や虚血性心疾患も原因疾患と
なります。心拍出量の低下は、易疲労性をもたらし、労作時の息切れ・呼吸困難の原因となります。

また、体液の貯留は、体重の増加・浮腫をもたらし、肺にうっ血すると「心臓喘息」となり、呼吸困難を
呈します。

弁膜症

僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症が頻度の多い疾患です。原因は弁の変性によって生じ、
心不全の原因となります。

不整脈

頻脈性不整脈と徐脈性不整脈があります。不整脈には、治療が不要な、単純な期外収縮から、
薬物療法、心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)もしくはペースメーカー植え込み術などの治療が
必要な不整脈まで多くありますので、臨床的に評価することが必要です。

また、ご家族に、突然死された方がおられる場合は、不整脈による突然死が多いので、
精査されることをお勧めいたします。

閉塞性動脈硬化症

主に下肢動脈の狭窄・閉塞によって、間欠性跛行(歩くと足が痛くなり、休むと改善する)がおこるため、
運動能力が低下します。下肢動脈ばかりでなく、鎖骨下動脈(肩の動脈)が狭くなると「めまい」の原因
となります。腎臓の動脈が狭くなると高血圧の原因となります。

これらは、カテーテルで治療できる疾患なので、予防、早期発見が重要です。

下肢(深在)静脈血栓症

かつては「エコノミークラス症候群」と呼ばれたことがありますが、下肢静脈の中に血栓(血の塊)が
形成され下腿に浮腫、発赤、疼痛を認めます。稀にその血栓がはがれて、心臓の肺動脈を閉塞し、
「肺塞栓症」の原因となります。肺塞栓症は突然死の原因疾患の1つです。

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心臓血管病が疑われる症状、兆候 こんな人は注意が必要

動いたときに(運動負荷時)呼吸が苦しくなり、休息で軽快する。
狭心症、心不全で認められる。不整脈(頻脈性不整脈の代表である心房細動発作や徐脈性不整脈の代表である房室ブロック)でも認められる。

典型的な狭心症では、労作時の胸痛が認められるが、安静時もしくは労作と関係なく発症する胸痛は、他疾患との鑑別が重要です。冠攣縮性狭心症化かもしれません。

突然発症では大動脈解離(コブのように膨れると大動脈瘤)が考えられ、
破裂すると突然死します。

慢性心不全では易疲労感も認め、徐々に運動能力が低下してきます。
年齢的変化??と勘違いしてしまい、見落としてしまいます。
下肢の動脈硬化では、下肢の易疲労感から、だんだん活動能力が低下してきて筋力も低下してきます。筋力低下は骨粗鬆症を招きますので、関節痛・骨折など併発しやすくなります。
不整脈では徐脈・房室ブロック・心房細動などで認められます。

主に、自覚的に動悸と感じる場合は、脈が速くなった場合(頻脈)と
不整に脈がとんだ場合です。

肩の動脈の狭窄で脳血流が低下し、めまいが起こります。大動脈弁狭窄症では心拍出量が
低下しますので、めまいを生じることがあります。

下肢の血管の動脈硬化によって起こります。

狭心症の関連症状として認められます。

動脈硬化による血流障害で認められますが、心不全による循環不全でも見られます。
また、房室ブロックによる神経反射でも末梢循環不全の症状として手足が冷えると
訴えられます。

急激な低血圧で生じます。起立性低血圧のような神経反射の異常で生じたり、
不整脈(高度の徐脈や頻脈)でおこります。大動脈弁狭窄症では心拍出量が低下しますので、
失神・意識消失発作を生じることがあります。

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心臓血管病の予防のために

【①定期的健康診断】
高血圧、心電図異常、心拡大などの異常のみならず採血上の異常(脂質値、血糖値、尿酸値など)が認められたら精査することが必要です。

【②家族歴】
高血圧、糖尿病の家族歴だけではなく、心血管疾患(脳卒中や心筋梗塞など)や
突然死の家族歴は重要です。
これらの家族歴のある方は定期的健診を行い、異常があれば精査が必要です。

【③明らかな異常】が発見された場合、必要な治療を開始し、その治療を継続し定期的健診によって経過観察します。

【①喫煙】
血管内皮の障害(喫煙による高一酸化炭素血症による)、血管の収縮や血小板寿命の短縮
(血が固まりやすい)によって動脈硬化が進展します。さらに、喫煙は、肺機能障害をもたらす
ばかりでなく胃腸粘膜の血流障害から、胃炎・腸炎が起こりやすくします。
従って、禁煙は心血管系のみならず、呼吸器系、消化器系にも好影響を与えます。

【②高血圧】
高血圧症は、血管壁に対する直接的な圧力による障害によって、血管壁の肥厚、血管の延長、
蛇行および拡大を生じます。内膜に対する障害から、血管腔の狭窄・閉塞による臓器血流障害がおこり、脳卒中、虚血性心疾患および閉塞性動脈硬化症が発症します。

さらには、大動脈の拡張による動脈瘤や動脈壁の障害による大動脈解離など、高血圧は、重篤な疾患をもたらします。健康診断などで、高血圧が指摘されたり、特に、高血圧の家族歴のある方は、自宅で、定期的に、血圧測定を行い、血圧が正常か否か評価することが必要です。

【③脂質異常症】
食生活の欧米化は、日本人の脂質異常症の原因であることは確かです。
特に、悪玉コレステロール(LDL)の上昇は狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患の重要な
危険因子であり、働き盛りの年齢の突然死の主要な原因となります。

食事療法と運動療法によって血清脂質を低下させることは重要ですが、家族性に高値を示したり、他の危険因子を1つ以上あわせもつ場合は薬物療法が必要です。コレステロールは肝臓で合成生成されますので、動物性脂肪を摂取しなくても、上昇します。

すなわち、糖分(果糖を含む)や炭水化物からも合成されますので、一日の総摂取カロリーを
コントロールすることが重要です。

【④糖尿病】
糖尿病も食生活の欧米化によって、増加しています。
糖尿病の3大合併症は網膜症、神経症、腎症ですが、これらは、糖尿病による微小血管障害に
よって引き起こされます。

一方、糖尿病の心血管系合併症である大血管障害は、糖尿病代謝障害による動脈硬化によって引き起こされます。高血糖特に食後高血糖は内臓脂肪蓄積を引き起こします。
肥満は糖代謝異常を合併しておりますので、体重を少しでも理想体重に近づけるように、
食事・運動療法を施行することが必要です。

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