一般療法
食事・運動療法と禁煙。
薬物療法
降圧薬、脂質異常症改善薬(合成阻害薬・吸収阻害薬など)、糖尿病薬、抗不整脈薬、抗血栓・凝固薬、利尿薬など。
心臓カテーテルによる治療
【冠動脈形成術(PCI)】
カテーテルの挿入は、脚の付け根(鼠径部の大腿動脈)、手首の動脈(橈骨動脈)もしくは 肘の動脈(上腕動脈)から挿入します。
狭窄もしくは閉塞病変部位を超音波で検査します。
病変部の性状・血管径が判明しますので、それに適した治療器具(バルーン、ステント、 ロータブレーター、血栓吸引など)で病変部を再開通させます。
手術時間は1時間前後ですが、手首・肘の動脈から治療した場合は、直後から歩行可能です。
【血管形成術(PTA)】
肩の動脈(鎖骨下動脈)、腎動脈、骨盤内の動脈(腸骨動脈)、下肢の動脈(大腿動脈、膝下の動脈) および血液透析用のシャント血管の狭窄・閉塞病変が対象となります。
カテーテルの挿入は、肘もしくは鼠径部の動脈から行います。
冠動脈と同様に、超音波検査で病変 の性状を検索し、バルーン、ステントもしくは血栓吸引術で治療します。
手術時間は1時間前後ですが、慢性完全閉塞病変では、2時間近くかかることもあります。
【弁形成術】
僧帽弁狭窄症や大動脈弁狭窄症のように狭くなった弁をバルーン(風船)で拡張します。
大動脈弁狭窄症は弁の石灰化に基づくもので、開心術による弁置換術が根治療法ですが、 高齢で合併症がある場合は、姑息的手段ですが、バルーンによる拡張術が施行できます。
方法は、右の鼠径部の静脈から、カテーテルを挿入して、僧帽弁や大動脈弁を拡張します。
手術時間は約2時間です。
ペースメーカー埋め込み術
洞不全症候群や房室ブロックなどの徐脈性疾患では、ペースメーカー植え込み術が必要になります。
ペースメーカーは局所麻酔で、左前胸部もしくは右前胸部に植え込みます。
所要時間は約1時間位で、終了後、歩行可能です。
カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)
頻脈性不整脈のカテーテルによる根治療法です。
主に、右鼠径部の静脈からカテーテルを挿入します。
心房細動から、心室性不整脈まで治療可能です。
手術時間は約2時間です。